

CRAB カニ
広島デルタに見られるカニの写真を集めてみた。県庁所在地でありながらおよそ30種のカニが河川の干潟に生息しており、環境省絶滅危惧Ⅱ類に指定されているハクセンシオマネキもここではかなり広範囲に見られる。潮が引いた干潟を訪れて、何百、何千ものチゴガニがいっせいにハサミを振っているのをながめるのも、一興である。

十脚目コブシガニ科 甲幅15mm 河口干潟のみお筋に見られる。カニでありながら前に歩ける。繁殖期にはつがったまま歩いていることがよくある。


十脚目ワタリガニ科 甲幅80mm 河口域から海域にかけての砂の中や石の下に潜んでおり、掘り起こされると体を立てはさみ脚を上げて威嚇する。


十脚目ムツハアリアケガニ科 甲幅17mm 感潮域の最上流部、JRの鉄橋付近に多い。泥地にひそみ、雌雄とも腹部中央部が赤い模様がある。

十脚目コメツキガニ科 甲幅10mm コメツキガニのオス同士は、胸を合わせてなわばり争いをする。

十脚目オサガニ科 甲幅35mm 眼柄を潜望鏡のように水面に出してあたりを窺う。

十脚目コメツキガニ科 甲幅10mm 泥干潟に群れて雄が白いハサミを一斉に振っている様子は、ダンスにたとえられるほど可憐。これは求愛行動であるらしい。近づくと一斉に巣穴に潜る。

十脚目コメツキガニ科 甲幅10mm 海域から感潮域上流部までに分布し、底質が砂地であればたいがい見られる。巣穴の周辺に砂をなめとった食べかすの砂だんごをきれいにならべている。


十脚目スナガニ科 甲幅20mm オスの一方のハサミ脚が巨大化しており、繁殖期にはこれを振ってメスを誘う。干潟の消滅ととともに姿が見られなくなった。環境省絶滅危惧Ⅱ類。


十脚目スナガニ科 甲幅35mm 砂浜の満潮線付近に50cm以上の巣穴を掘って生活している。夕方から夜にかけて活動する。

十脚目モクズガニ科 甲幅55mm ハサミ脚に毛皮をまとった大型のカニで、食用にもなる。淡水に棲むが、海水中でないと卵がふ化しないため交尾・産卵は海に降りて行う。吸虫類の中間宿主。


十脚目モクズガニ科 甲幅35mm 感潮域の転石を持ち上げたとき、カサコソと物陰に隠れようとするのはほとんどが本種で、最も普通。2005年によく似たタカノケフサイソガニが別種として独立した。

十脚目モクズガニ科 甲幅35mm 長い間ケフサイソガニと混同されていたが、2005年に独立し た種として記載された。形態も生態も両種は極めてよく似ており、分布域も重なっている。

十脚目モクズガニ科 甲幅50mm 甲や脚のオレンジ色がよく目立ち、若い個体のハサミ脚は鮮やかな紫色。老成個体では甲幅が55mmにもなる。各地で生息域が破壊されており保護対策が必要。


十脚目モクズガニ科 甲幅25mm アシ原に限らず干潟の泥地から小石混じりの固い土質のところまで広く棲息する。複雑な巣穴を掘って潜む。敵が来ると強固なハサミ脚を振り上げ威嚇する。


十脚目モクズガニ科 甲幅25mm アシハラガニによく似ている が、やや小型。チゴガニやハクセンシオマネキの生息地に棲み捕食する肉食性のカニ。巣穴を掘って生活しており、動きは敏捷。

十脚目モクズガニ科 甲幅35mm 背中がほぼ平らで盛り上がらない。かなり獰猛でハサミを上げてよく威嚇する。海域を中心としてすみ河川には上がってこない。

十脚目モクズガニ科 甲幅38mm 岩礁に見られる代表的なカニで、物陰に生息している。黄緑色の地に紫色がかった褐色の不規則な模様がある。歩脚の横縞とハサミ脚の紫色の斑点が特徴。